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従業員エンゲージメントとは?定義・メリット・高め方・企業事例をわかりやすく解説!
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生成AIの登場によって、私たちの仕事はこれまで以上に速く、便利になりました。
一方で、効率化が進むほど、「前より楽になったはずなのに、なぜか仕事がおもしろくない」「結果は出るのに、達成感が薄い」と感じることはないでしょうか。
もしかすると、私たちは仕事を効率化する過程で、作業時間だけでなく、考えることや試行錯誤すること、その中で得られていた「学ぶおもしろさ」まで一緒に手放し始めているのかもしれません。
この記事では、学習者のモチベーションを考える「ARCSモデル」を手がかりに、生成AI時代の仕事において、効率化とおもしろさをどう両立していけばよいのかを考えていきます。
目次
ChatGPTがリリースされたのは2022年11月30日でした。そしてわずか5日で利用者は100万人に到達し、それ以来、いろいろな種類の生成AIが公開されてきました。今では私たちの日常にすっかり浸透し、その勢いは増すばかりです。
仕事においても、生成AIのおかげで様々なことが効率化されるようになりました。議事録の作成やシフト管理に始まり、リサーチや文書の要約も一瞬でしてくれます。
私が普段携わっている分析業務でも、以前はExcelの関数を組み、ソフトウェアで必死にコードを書いていた作業を、AIがあっという間にこなしてくれるようになりました。
「便利だなぁ、すごいなぁ」と感嘆する反面、私は少し違和感も抱いてしまいます。
つまらないなぁ、なんだかなぁ、と感じることも増えた気がしているからです。
一見すると個人的な感情にすぎないようにも思えるこのモヤモヤは、どこから来るのでしょうか?
そう考えたとき、同じ「効率化」でも、単純に喜べるものと、何か大切なものまで一緒に失っているように感じるものがあることに気が付きました。
シフト管理のような作業の効率化は、素直にありがたい。バラバラの所にあったデータがひとつにまとまって、今まで分からなかったことが分かるようになったことも本当にすばらしいし、これからのビジネスのあり方を大きく変えるものになるだろうとも感じています。
でも、思考や試行錯誤を伴う仕事まで効率化されたとき、どこか不思議な物足りなさが残ります。
自分ひとりではできなかったことができるようになり(できるようになったと勘違いしている、と書いた方が正確かもしれません)、圧倒的に早く結果が出るようになったのに、そこに達成感が得られない。
「自分がやり遂げた」「自分の手でコントロールしている」という実感が欠けているのです。
そして何より、
「これはどういうことなんだろう?」
と考え、試行錯誤しながら、ようやく解法が見えた瞬間に視界がぱっと開ける、あの感覚。
生成AIを使えば、そのプロセスをすっ飛ばして完成品がポンと目の前に現れることがあります。
このことも、生成AIによって仕事を効率化したときに感じる「つまらなさ」の一つの理由なのではないでしょうか。
本記事では、学習者の動機づけを設計するための枠組みである「ARCS(アークス)モデル」を用いて、仕事の中にある「学ぶおもしろさ」について考えてみたいと思います。
そのうえで、生成AIが当たり前になるこれからの環境で、何をAIに任せ、何を人間の側に残すのか。
仕事にあるワクワク感を、私たちはどのように設計していけばよいのかを考察します。

ARCS(アークス)モデルは、米国フロリダ州立大学の教育工学者である、ジョン・M・ケラー先生によって提唱された学習者のモチベーションに関するモデルです。ケラー先生は、学習者が意欲を持ち、それを維持するための条件を次の4つの条件にまとめました。
最初の「Attention(注意喚起)」は、学習対象に注意を向け、「もっと知りたい」と思える状態を指します。
ケラー先生は、注意を引くこと以上に、その注意を持続させることが重要であると述べています。人は、退屈すぎても学習から離れてしまいますが、反対に刺激が強すぎても不安や混乱につながります。その間の、ちょうどよい塩梅の好奇心を維持することが必要なのです。
そのための方法として、ケラー先生は問いを投げかけたり、問題解決の活動を取り入れたり、学習者自身が興味を持ったテーマを選べるようにしたりすることを挙げています。
考えてみれば、仕事の中で何か新しいことを覚えるときにも、「これ、どうなっているんだろう?」という疑問が出発点になることがあります。分からないから調べる。試してみる。また分からないことが出てくる。そうしているうちに、いつの間にか夢中になっている。
「答えが分からない」という状態は、一見すると非効率です。しかし、その分からなさが、次を知りたいという好奇心を生み出していることもあります。
次の「Relevance(関連性)」は、「なぜこれを学ぶのか」「自分にとってどんな意味があるのか」という感覚です。
学生時代、「これ、何のために勉強するんだろう」と思った経験がある方も多いのではないでしょうか。ケラー先生もまさにこの問いを取り上げています。学んでいることが現在や将来の自分にどうつながるのかが分からなければ、学習意欲は続きにくくなります。
仕事の中の学びは、このRelevance(関連性)を比較的感じやすい学習なのかもしれません。調べたことをすぐに使える。昨日までできなかったことが、今日の仕事でできるようになる。職場では、学ぶことと、自分がやりたいこととの距離が近いのです。
「Confidence(自信)」は、「自分にもできそうだ」という感覚です。
ここで大切なのは、努力すれば到達できそうだと思えることです。学習内容を徐々に難しくして克服可能な挑戦をつくることや、成功を自分の努力と結びつけること、徐々に自立して行えるようになることが、Confidence(自信)を高める方法として挙げられています。
さらに、Confidence(自信)のある学習者は、自分の行動によって目標を達成できると考える傾向があるとも説明されています。これは、私が生成AIを使う中で違和感を感じていた、自分の手でコントロールしている感覚、とも重なります。AIに正解を出してもらえば、結果は手に入ります。でも、自分で考えたり試したりする過程がなければ、ここまでは自分でできる、次はもう少し先までいけそうだ、という、自分なりの道筋は見えてきません。
Confidence(自信)とは、正解を持っていることで生まれるのではなく、自分の力でここまで歩いてきたという感覚が、少しずつ自分の中に積み上がっていくことなのかもしれません。
「Satisfaction(満足感)」は、学習を通じて「やってよかった」「できてうれしい」と感じられることです。
ここでいうSatisfaction(満足感)は、最終ゴールに到達した瞬間にだけ生まれるものではありません。少し難しいことに挑戦してできた、昨日まで分からなかったことが分かった、身につけたことを実際に使えた。そうした学習の途中で感じる手ごたえもSatisfaction(満足感)につながります。
ARCSモデルでも、身につけたスキルを実際の場面で使うことや、難しい課題を成し遂げたことへの内的な誇り、進歩や達成に対して適切なフィードバックを得ることなどが、Satisfaction(満足感)を高める方法として挙げられています。
そして、このSatisfaction(満足感)は、Confidence(自信)ともつながっています。
ARCSモデルのもとになった考え方では、ある行動の結果が、その後の「成功できそうだ」という期待や、その活動をどれだけ価値あるものと感じるかに影響するとされています。つまり、小さなSatisfaction(満足感)の積み重ねが、Confidence(自信)という「自分なりの道筋」をつくっていくとも考えられます。
AIが一気にゴールまで連れていってくれれば、結果は手に入ります。けれどその途中にあった、小さなSatisfaction(満足感)まで飛び越えてしまえば、自分なりの道筋を作るための経験も少なくなってしまうのかも知れません。
ARCSモデルを通して考えると、私が感じていた「なんだかつまらない」という違和感の正体が見えてきます。
「これはどういうことだろう」と考えること。
仮説を立てて試してみること。
うまくいかなければ、別の方法を考えること。
そして、「分かった」「できた」と感じること。
分析や研究、モノづくりのような仕事では、こうしたプロセスそのものが仕事の醍醐味でもあります。AIにそのプロセスまで任せてしまうと、その仕事の一番おもしろいところまで手放してしまうのです。
もちろん、「効率化なんてやめよう」という話ではありません。プロセス自体に大きな学習価値を求めない定型業務などは、これからもどんどんAIに任せていけばいいのだと思います。
重要なのは、作業を効率化することと、仕事の中にある学ぶプロセスまで手放してしまうことを区別することではないでしょうか。
結果を素早く手にできる時代になったからこそ、私たちは何をAIに任せ、人間の側にどんな知的な試行錯誤を残すかという、仕事のプロセスそのものの向き合い方を問い直す時期に来ているのかもしれません。
一瞬で答えを出してもらう作業の代行機として使うのではなく、アイデアを揉むための壁打ち相手や、考え方のヒントをくれる家庭教師として使ってみる。
あえて正解を一瞬で出させず、「このエラーの考え方のヒントを教えて」「別のアプローチはないかな?」と問いかけてみるのです。自分で考える余地を残すことで、AIが出してきたものを単に検品するだけではなく、自分自身も思考のプロセスに参加することができます。
完成品をただ受け取るだけでは得られない、「分かった」「できた」という手応え。その小さな経験を重ねながら、自分なりの道筋をつくっていくことには、やはり独特のワクワク感があります。
生成AIが当たり前になる時代だからこそ、仕事の中にある「知的な探求の場」をどこに残すのか。それを自分たちで考えていくことが、これからも仕事の中に学ぶおもしろさや手応えを感じ続けるために、大切な視点なのではないでしょうか。

毎日の仕事は次々と過ぎていきます。あのときはできなかったことが、今はできる。こんなことに悩み、こんなことを試してきた。そうした一つひとつは、振り返ってみて初めて、自分が歩いてきた道として見えてくるのかもしれません。
OFFICE DOCKのスキルマップも、単に「何ができるか」を示すためだけではなく、これまで何をしてきたのかを振り返り、自分が歩いてきた道筋を照らすものとして捉えることができます。そんな時間も、生成AI時代においてはますます大切になるのではないでしょうか。
Keller, J. M. (1987). Development and use of the ARCS model of instructional design. Journal of Instructional Development, 10, 2–10.
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