- 業務改善
バランスか、インテグレーションか―仕事とプライベートのよりよい関係
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「あの社員が辞めてしまったら、明日からの業務が回らない……」 「部下に仕事を任せたら、思っていた成果物と全く違うものが出てきた」
経営者が組織を拡大していくプロセスで、必ず直面するのが「業務の属人化」と「部下への権限委譲の難しさ」です。
社長がいつまでも現場の「総合ヘッドコーチ」としてすべてを管理していては、会社の成長は止まってしまいます。しかし、ただ仕事を丸投げしても組織は崩壊するだけです。
この記事では、経営コンサルタントの椢原浩一先生と、アステッキホールディングス株式会社代表取締役社長 岩谷による対談をベースに、属人化を解消し、組織の生産性を爆上げするための「60点でのすり合わせ」と「マネジメントの生産性」について分かりやすく解説します。
目次
「彼にしかできない仕事だから他の人に任せられない」というのは、経営者の錯覚です。どんなに高度に見える仕事でも、仕組み化することは可能です。
属人化を解消するための鉄則は、「大きな仕事を、誰でもできるレベルまで細かく分解する」ことです。
仕事がブラックボックス化していると、その社員が抜けた瞬間に経営は大打撃を受けます。まずは業務を限界まで細分化し、誰でも再現できる仕組みを作ることが、組織経営のスタートラインです。
日本の学校教育では「100点」が美徳とされますが、ビジネスの現場でこれをやると生産性は劇的に低下します。なぜなら、部下が自分一人で「100点満点」に仕上げようと抱え込むほど、時間ばかりが経過し、結果として経営者の理想とズレたものが上がってくるからです。
岩谷は、社内での仕事の進め方について次のように語ります。
岩谷のスピード仕事術: 「頭の中にあるゴールを相手に100%伝えるのは不可能です。だから、私はいつも『60%の出来でいいからとりあえず出して』と言っています。60点の段階ですり合わせをすれば、どこを修正すればいいか明確になり、結果的に80点、90点へ到達するスピードが圧倒的に早くなります」
いくら時間をかけて完璧だと思って持ってきた成果物も、経営者の視点から見れば50点というケースは多々あります。100点を目指して時間をかけるより、60点で一度提出させてフィードバック(軌道修正)を高速で回す方が、トータルの時間は圧倒的に短く、品質も高くなります。
ビジネスにおいて、スピードと品質のどちらを重視すべきかは、業種やフェーズによっても異なります。しかし、組織全体の生産性を高める上では「スピード(量)」が結果として「品質」を生み出すという側面があります。
対談に参加した経営者からも、次のようなリアルな視点が共有されました。
参加者の意見(量質転化): 「研修で『量質転化』という言葉を聞きました。最初は60点の品質でもいいから、とにかくスピード重視で数をこなす。そうして経験を積むことで効率化の課題がでてくるので、そこから品質を求めています」
スピードを上げて打席に立つ回数を増やすことで、社員のスキルは上がります。時間は誰にとっても24時間で変わりませんが、スキルの向上によって「同じ時間内で生み出せる品質の基準」が上がっていくのです。
現場のスタッフが「業務を速く正確にこなす生産性」を追うのに対し、管理職や経営層が追うべきなのは「マネジメントの生産性」です。
人間には必ず得意・不得意があります。全員を一律同じように動かそうとするのではなく、以下を行うのがマネージャーの仕事です。
立ち位置によって、求めるべき生産性もフィードバックの中身も変わります。経営層はこの視点の違いを正しく理解し、組織を組み立てる必要があります。
組織の生産性を高めるためには、仕事を細かく砕いて属人化をなくすこと。そして「60点での早期すり合わせ」をルール化し、高速でPDCAを回すことです。
経営者が現場のすべての業務を抱え込むフェーズから脱却し、各メンバーの得意分野を活かした「組織」へと変貌を遂げたとき、会社は「次の壁」を突破する強固な基盤を手に入れます。
まずは明日から、部下に「完璧じゃなくていいから、60点の段階で一回見せて」と言葉をかけることから始めてみませんか?
今回の記事のベースとなった、スピードと品質のリアルな討論や、効果的なフィードバックのやり方についての深い議論は、以下のYouTube動画からご覧いただけます。
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