【シェアードサービス特化】工数管理で“見えない人件費”を原価に変える実践ガイド

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【シェアードサービス特化】工数管理で“見えない人件費”を原価に変える実践ガイド

合言葉は「見えない人件費を“原価”へ」。経理・人事・システム開発・制作支援などシェアードサービスは、複数部門の仕事を横断するがゆえに、誰が・どの部門に・何時間使ったかが曖昧になりがちです。まずはこの“見えない原価”を工数から可視化する設計が必要です。今回はそのような非製造業の現場で今すぐ実践できる手順をまとめました。

オフィスドッグは、圧倒的な『見える化』で
業務とコストを正確に把握

誰が、何に、どれだけの時間を使っているのか。感覚的だった業務実態をデータで可視化。ムリ・ムダ・ムラをなくし、生産性の高いチームを創ります。

見える化イメージ

1. シェアードサービスの原価は、なぜ「見えない」のか?

「今月のシェアードサービスの原価、把握できていますか?」
複数の事業やクライアントを支援する日常では、同じ1時間でもどの部門の、どの業務に対して投じられたのかが分断され、人件費が販管費に埋もれがちです。結果として、

  • 採算性の誤認(赤字案件を継続)
  • 不適切な価格設定(内部請求・仕切り率が前年踏襲)
  • 説明責任の欠如(「なぜこの金額?」に数字で答えられない)

といったリスクが静かに進行します。

2. 工数管理が実現する「原価の可視化」──3ステップとサンプル

Step 1:部門別・業務別に工数を記録する

オフィスドックなら、タスクカードを作成して計測(再生)ボタンを押すだけで、実行時間が自動で蓄積。日報も自動化されるので、記録の習慣化がしやすくなります。

タスクの計測

Step 2:工数 → 原価へ変換する

基本式はシンプルです。
部門別原価 = その部門向け工数 × 人件費単価(例:1人4,000円/時,事業部40h →事業人件費原価16万円/月)。チーム合算すれば、部門別の“真のコスト”が見えます。

Step 3:採算性を評価する

可視化された原価と内部請求(仕切り)を突き合わせ、妥当性・改善余地・再設計を判断。ここでは「記録→原価→採算評価」の流れを、具体的に整理していきます。

サンプル:税理士事務所の月次顧問(A社)

  • 仕訳入力 12h × ¥3,000 = ¥36,000
  • 月次レビュー 6h × ¥6,000 = ¥36,000
  • 顧客対応 8h × ¥4,000 = ¥32,000
    =人件費原価 ¥104,000/月
    顧問料が¥120,000なら粗利は¥16,000(13%)
    レビューが8hへ膨らめば粗利は¥4,000(3%)まで低下

このように「どこで時間が燃えているか」が分かるだけで、値付け・工程設計・BPO判断の質が変わります。

重要データ(リスク)

タスク管理が曖昧で並行タスクが増えると、所要時間が3〜5倍に膨らむ局面があります。ワインバーグの経験則ではタスク切替で最大80%の生産性損失最大5倍遅くなるとされ(2件並行で20%損失、3件で40%損失)。だからこそ、一貫した工数記録が効いてきます。

3. なぜシェアードサービスに「オフィスドック」が適しているのか

(1) 記録負荷の低さ

タスクカード+計測ボタンで「予定と実績」が自動で紐づき、ムリなく続く。シェアードの現場でも「まず回る」がつくれます。

オフィスドックの予定と実績画面

(2) 3階層×タグで“多軸の原価管理”

大分類(事業)/中分類(プロジェクト)/小分類(タスク)の3階層で時間を構造化し、クライアント・事業・プロジェクト・セグメント等のタグを付与。サービス別・商品別・クライアント別工数と原価を横断的に分析できます。

「価格設定の最適化」「外注・自動化の判断」「投資是非」まで、感覚でなく“数値”で。

オフィスドックの集計画面

(3) 「多連動」=コスト見える化 × 人材育成 × モチベーション

オフィスドックの設計思想は多機能より“多連動”日常タスク ⇔ スキルマップ ⇔ 福利厚生ポイントが連動し、計測の手間成長実感小さな報酬に置き換えます。“監視される記録”を“育つ記録”へ。

オフィスドックのスキルマップ画面

4. 実装の第一歩:小さく始めて、習慣化する

これらを実践していくには、一気に全業務をやろうとせず、段階的に進めるのが定着のコツです。以下はオフィスドックでツールで回すときの現実的ロードマップです

ここでも、士業を例に挙げて説明します。

  • フェーズ1(初月)|主要業務だけ
    例:月次決算・給与計算・請求処理など時間のかかる上位3タスクだけをタスクカード+計測ボタンで記録。精度70%でOK、とにかく止めない
  • フェーズ2(2〜3ヶ月目)|3階層+タグを軽く整える
    大/中/小の3階層クライアント・事業タグを付け、部門別原価繁閑差が見えるビューを作る。週次レビューで漏れ訂正。
  • フェーズ3(3ヶ月目以降)|“原価→採算”の会話へ
    部門別原価 = 工数 × 単価仕切り率を検証。改善(自動化/外注)・撤退・投資の意思決定に接続。
    日報の自動生成ビジュアルレポートで個人PDCAも回る。

5. 「従業員を守る数字」になる

数字は叱るためでなく、守るために使う──これらの数値は説明責任を果たすための時間データの力です。「なぜこの金額なのか」「なぜ超過したのか」をファクトで語れることは、現場を不適切な発注から守る盾になります。

一方、オフィスドックの日報・分析は「仕事をこなす」から「仕事を磨く」への自己効率化PDCAを支援。可視化→振り返り→スキル連動→小さな報酬まで一本の線でつながるため、定着しやすく、やり抜けるのが特徴です。


6. まとめ:いま始める、粗利構造のリアル化

実行時間が見える → 人件費を精密に配賦できる → “本当の粗利構造”が読める → 改善/撤退/投資が決められる。
この好循環を回す最短経路は、オフィスドックで小さく始め、習慣化すること。シェアードサービスの課題は“人と時間”の設計で必ず動きます。見えない人件費を、今日から原価へ。

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マイルくん

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